夜景遺産認定地
ウスキタケヨイ
うすき竹宵臼杵の城下町一帯を活用して開催される夜間イベント「うすき竹宵」。地元団体などの協力により毎年2万本が制作される竹ぼんぼりや、地元企業やボランティアなどによって制作される様々な趣向を凝らした作品“竹オブジェ”が会場に約30ヶ所設置され竹宵に花を添える。
臼杵市は大分県の東海岸に位置する人口約3万7千人の町。豊後水道が育む豊かな海の幸に恵まれ、醤油や味噌をはじめとした醸造業で発展してきた。近年では南蛮貿易やキリスト教布教の地として栄えた風情ある城下町が観光として注目を浴びている。この町で毎年11月の第一土曜日と日曜日の2日間、城下町一帯を活用して開催される夜間イベントが「うすき竹宵」だ。今や全国各地で竹灯籠(竹ぼんぼり)を使う催しは多いが、この地域では地域活性化や竹林再生、循環型社会の構築などを目的に1997年に始まり「竹ぼんぼり発祥の地」とも言われている。使用される竹ぼんぼりは、地元の団体などの協力により毎年2万本が制作され、会場全体にところ狭しと並べられる。また、地元企業やボランティアなどによって制作される“竹オブジェ”と呼ばれる様々な趣向を凝らした作品も会場に約30ヶ所設置され竹宵に花を添える。特に人気の高いエリアが「二王座」界隈だ。石畳の狭い坂道に武家屋敷やお寺が建ち並び、道沿いに竹ぼんぼりが並べられる。蝋燭の灯りで柔らかく照らし出される白壁は、まるで来場者を幽玄の世界へと誘うようだ。小高い丘上にある「多福寺」では、石段に竹ぼんぼりがびっしりと敷き詰められ、無数の灯りと寺のライトアップが競演。フォトジェニックな光景を創り出している。また本認定で外せない行事のひとつが、会期中2日間行われる「般若姫行列」だ。国宝・臼杵石仏を造ったと言われる真名長者の伝説を基に、都から両親の元へ里帰りする般若姫の御霊を迎える様子を再現した儀式である。静謐な雰囲気に包みこまれた行列の風景は、まるで歴史の物語に迷い込んだような感覚。その他、老若男女が楽しめるようにと、音楽コンサートやお茶会、琴の演奏会、生け花展示等、歴史と文化が融合したイベントを行っている。