夜景遺産認定地
はかたらいとあっぷうぉーく はかたせんねんこうや
博多ライトアップウォーク 博多千年煌夜
2006年からスタートし、長い歴史を語り継ぐ寺や神社が立ち並ぶ博多地区で開催。福岡市内で数多く催されるイベントの中でも、新たなスタイルの夜間イベントとして注目を浴び、2015年は記念すべき10年目を迎える。
2006年からスタートし、長い歴史を語り継ぐ寺や神社が立ち並ぶ博多地区で開催。福岡市内で数多く催されるイベントの中でも、新たなスタイルの夜間イベントとして注目を浴び、2015年で10年目を迎えた。照明デザイナーの松下美紀氏を総合監修に迎え、寺社の建物や庭園をライトアップすることで、市民や観光客に昼間とは違う博多地区の魅力を発見していただき、歴史的な景観により親しんでいただきたいという思いから生まれた。会期は計5日間。博多の総鎮守として親しまれている「櫛田神社」や石庭が美しい「承天寺」、弘法大師が創建し、2011年には五重塔が完成した「東長寺」や博多豪商の墓が多く残る「妙楽寺」など、建物の歴史に寄り添った光の演出が施され、第11回照明学会照明デザイン賞を受賞する程のこだわり抜かれた景観創出は見事。また、日頃見ることができないエリアの特別公開と共に、承天寺が発祥と言われているうどん・そば・饅頭が提供される夜市や茶会など多くのイベントも催され、夜間の観光的価値も年々高まっている。さらに同イベントは有料型という仕組みによって、夜景観光業界に変革を与えた。近年、ライトアップのみでは観光客を呼び込みにくい潮流において、「光」の質を高めながらも観光客にお金を払う価値あるものとして昇華させ、夜間の市内経済促進活動に貢献していることも認定理由のひとつ。全国の自治体も今後、学ぶに値する事例である。